フィアット8Vは、第二次世界大戦の終結から5年後、その痛手からようやく復興なったフィアットが突然のごとくスポーツカーマーケットに送り出した高級スーパースポーツ。専用のフレームに、2リットルのV8OHVユニットを搭載する。同時期のフェラーリにも匹敵するような、本格的な内容のスーパースポーツは、フィアットの長い歴史の中でも空前絶後であろう。総計114台が製作されたに過ぎない8Vの内でも、さらにミラノのカロッツェリア、ザガートが得意の軽量アルミボディを架装した車両は、この個体を含めて28台のみとされる。その多くが、ミラノの名門レーシングチーム "スクーデリア・サンタンブローズ" に所属する、裕福なクラブマンレーサーたちのオーダーによるものだった。今回出品される8VザガートはセリアAの名門サッカーチーム、ミラノの "インテル" 元会長の特別注文に応じて製作されたもので、カラーもインテルカラーのブルー&ブラックとされている。