メルセデス・ベンツ170Sは、第二次大戦前の1936年から戦後の1953年まで生産された同社のベーシックモデル、170Vの上級バージョンとして、1949年から1953年まで170V と並行生産されたモデル。実質的には170Vのマイナーチェンジ版で、ボディが若干大型化されてトランクリッドが設けられたほか、直4SVエンジンも1.8リットルに拡大、リアサスペンションも改良された。また170Sには、戦前以来のメルセデスの伝統に従って、今回の出品モデルでもある2ドア2/3シーターの "カブリオレA" 、2ドア4/5シーターの "カブリオレB" もラインナップされた。陽光の乏しいドイツでは、夏のオープンエアドライブを求める顧客が多いため、大衆向けの実用車にもオープンモデルが用意される例が多かったのだ。しかし、当時のヨーロッパはまだ復興途上ということもあって、1953年に完全戦後型の180系にバトンタッチするまでの生産台数は、カブリオレA/B合わせても2,433台に終わった。