チシタリアは、イタリアの実業家にしてレーシングドライバー、そしてサッカーチーム "ユヴェントス" の選手兼チームオーナーとしても知られたピエロ・ドゥジオが、第2次世界大戦の終戦直後のトリノに興したスポーツカーメーカー。GPレースに過大な投資をしたことから、会社の経営は数年で破綻してしまうが、その作品たちは今なお極めて高い評価を受けている。そんな中でも、1947年に発表された202ピニンファリーナ製クーペは、時代の常識を遥かに超えた美しさで世界のエンスージャストを魅了、"走る宝石" と呼ばれるに至ったのだが、当時の1.1リットル車として驚くほどに高い価格が災いしたせいか商業的成功は得られなかった。しかし、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で1951年に開催した特別展覧会にて、当時同館の学芸員を務めていた工業デザイン研究家、A.ドレクスラーが公式カタログに "動く彫刻" として取り上げて以来、自動車としては史上初の永久展示品となった。