アルファロメオ6C1750シリーズは、ヴィンテージ期のイタリア車を代表する傑作。そして、自動車王ヘンリー・フォードをして「目の前をアルファロメオが通り過ぎるたびに、私は帽子を脱いで敬意を払う」とまで言わしめた、自動車史に冠たる名車である。直列6気筒、ベベルギアと垂直シャフト駆動によるDOHCという、当時の小型市販車としては異例に高度なメカニズムは、グランプリカー直系のものである。今回の出品車両は、シリーズ中では最も大人しいモデルであるトゥリズモ。当時、トゥーリングやカスターニャなどのカロッツェリアが洒落たカブリオレ/クーペなどの魅力的なボディを架装したが、特にこのクルマは海を渡った英国の老舗コーチビルダー、ジェームズ・ヤング製ドロップヘッド・クーペが組み合わされた貴重な一台。小柄なサイズを感じさせないスタイリングや、入念に設えられたインテリアのウッド使いなどに、同社の優秀な技術力が見受けられる。